鈴鹿滝洞谷 沢登り
2023年01月15日(日)
2022年11月5日(土)
滝洞谷を遡行してきた。鈴鹿最強だと思い込んでいたホタガ谷を上回る険谷との情報を得たので、どちらが悪いかを確かめるために。
滝洞谷は石灰岩の涸れ沢で、遡行グレードは3級(中級の上)とされている(ホタガ谷も3級)。ひたすらゴルジュ帯が続くので逃げ道がなく、谷に迷い込んだ獣の死骸があったり、釜に溜まった水が異臭を放っていることもある。核心は3つあり、洞窟ゴルジュ、井戸底ゴルジュ、迷路ゴルジュと呼ばれている。今回は入渓4日前の雨で釜に溜まった腐れ水が浄化され、その後続いた晴天で岩が乾いていたので、ベストコンディションだった。涸れ沢ということで、基本的にアプローチシューズで歩き、水が溜まっている釜は裸足で突破し、核心部のみクライミングシューズに履き替えた。
第1核心の洞窟ゴルジュは、左上するクラック沿いにアブミを使ったA1で抜けるのが一般的である。我々もアブミを用意して行ったが、クライミングシューズと残置ハーケンに助けられ、テンションをかけながらもアブミなしで突破できた。ただし、ジャミングできるようなクラックではなく、足もツルツルでカムを打つ余裕はなかったので、難所に変わりない。沢靴であればA1必死だろう。
第2核心の井戸底ゴルジュは下段と上段に分かれている。下段はホールドが豊富でカムも利くので難しくない。上段は悪いと聞いていたので警戒していたが、カンテ沿いを登ってスラブ面に移った後が少し難しかったものの、案外あっさり抜けられた。後で調べたところ、土砂の堆積で上段の基部が数年前と比べて1.5〜2mほど高くなったらしく、出だしの難所が埋もれてしまったよう。
第3核心の迷路ゴルジュは、いくつかライン取りがありそうだが、我々は正面の苔むしたハングを左にトラバースして抜けてから、上部のスラブにつなげた。25〜30m程続くスラブは易しいが、プロテクションをほとんど取れないので、リードはミスが許されない。濡れていたら相当難しくなるだろう。
迷路ゴルジュを抜けたところで深い釜があり、この後は見どころなしとのことなので、我々はここで遡行を打ち切り、右岸を高巻いてP729へ向かった。その後はピンクテープが豊富な作業道を辿って下山。評判どおりの悪さだが、宝石箱のような沢。こんな所に良く見つけたなと感心した。ちなみに、ホタガ谷と滝洞谷は沢の質が違い過ぎて比較できない、というのがひとまずの結論。
参加者2名(D.H.記)
コースタイム:
6:30 大君ヶ畑墓地 6:50→7:00 滝洞谷入渓→8:00 洞窟ゴルジュ→9:30 井戸底ゴルジュ→11:15 迷路ゴルジュ→12:00 迷路ゴルジュ上で遡行終了
右岸を高巻きP729へ→13:20 P729、大休止 13:45→14:30 大君ヶ畑墓地
装備:
シングルロープ50m、カム#0.3〜#3、ナッツBD#5〜#7、アブミx3/各自、ハンマー、ハーケン数枚、ヌンチャク数本、クライミングシューズ、アプローチシューズ